「まいてつ」をプレイした感想メモ
PCゲームをプレイした感想です。元はnoteに書いていましたが、結構な分量になったのでブログとして残そうと思います。
DL siteでLoseの作品がセールしていたので、まいてつをプレイしました。現段階で読んだのは日々姫、ポーレット、れいな、稀咲ルートです。
元々はcuraさんの絵柄が好きでいつか遊んでみたいなぁと思っていたのが始まり。恋愛ノベルゲームはあまりプレイする方ではないのですが、キャラクターも描写が細かくシナリオの精緻さも見事で、十二分に楽しむことが出来ました。
ノベルゲームとして面白いと感じたのは専門用語の解説方法。鉄道関連や作品独自の用語が多く出てくるのですが、本文テキスト欄の色文字をクリックすることでいつでも詳細を確認できる仕様になっていました。
こういった仕様は小説にはできないゲームならではの方法だと思うので、コストはかかると思いますが流行ってほしいですね。もしかして流行ってるのかな。流行ってたら聞き流してください。
一番良かったのはヒロインが魅力的だったところ。特にすごいポイントが3つあるので箇条書きで書きます。
1、e-moteがすごい
e-moteはM2という会社が開発した2Dの絵を動かすツール。らしい。商用ソフトとしても個人用の体験版もありました。下にリンクを貼ります。
まいてつはこのツールを導入しているらしく、キャラがめちゃくちゃ動きます。イベントCGだけでなく立ち絵でも常に。ボイスに合わせてポーズや表情もころころ変わるのでアニメを見ているようでした。
プレイしている中で10時間20時間とキャラクターが動くというのは、造形の魅力を引き出すうえでインパクトの大きな手段だと感じました。個人的にはこの動く立ち絵を体感できただけでも、買ってよかったなあと思います。
オープニング映像ですが本編もこれくらい動いてびっくりしました。
2、シナリオが各キャラ違う
まいてつの基本シナリオはざっくりいうと「地元の田舎に工場が建っちゃうと自然が損なわれちゃうから、工場じゃなく鉄道中心で俺たちは復興しちゃうぜ(超意訳)」というものです。主人公たちは知恵を出し合って魅力的な都市を作ろうとするのですが、その復興案が各ヒロインの特徴に合わせて変化します。
観光鉄道をPRする、地元の炭鉱や伝統細工の文化継承を絡めたテーマパークを作る、市議会へのコネクションを用いて地元の人々への説得を行うetc…。各シナリオで全く別の話にするのではなく、大筋はそのままに細部を変えかつ内容は破綻せずに、という色の変え方は自分には非常に新鮮で、話の展開の自然さやアイディアの豊富さには読みながら感じ入りました。
何を主軸に話が展開するかがブレていない分、キャラクターごとの特徴や個性がルート内で見えた気がします。
3、キャラクターがどのルートでも関わる
主人公の陣営には同じ目的を持った人が集まっており、その人たちはヒロインであり同時に技術者でもあります。市長や地元の大企業の社長、デザイナーという人員が集まっており、そういった技術やコネクションは大筋の「地域復興」に大きく役立ちます。つまりどのルートでもヒロインは等しく物語に密接に関わります。
問題はメインヒロインの内二人(もしかしたらもっと)は主人公にベタ惚れの状態で物語が始まっていることです。個別ルートの中で選ばれなかったヒロインは恋が成就しないことに作中で気づき、失恋し、それでも主人公と共に協力して物語を進めてくれるのです。
泣きます。
自分がこういった作風(恋愛系)の作品にあまり触れてこなかったからかもしれませんが、個別ルート以外でキャラクターの評価がグッと上がるのはすげーですね。